こんにちは。ナツコです。
家族帯同で海外へ駐在すると、夫婦関係が良くなると聞いたことがあります。
慣れない海外生活で頼れる人も少なく、家族で助け合っていこうという意識が芽生えるから。
休日は遊びにいく友人や親兄弟も近くにいないので、家族の時間を大切にするようになるから。
これに当てはまる家族はどれくらいいるのでしょうか。
あなたの家庭ではいかがですか?
私は海外で初めて一緒に暮らし始めた夫と、上手くいく時もあれば関係が悪化するときもあります。
できればずっと仲良く過ごしたいと思っているのに、なぜなのでしょう。
そこで、駐在員の夫を持つ私が、なぜ海外生活で夫婦関係が悪化することがあるのか考えてみました。
そして私なりの解決策を導き出しました。
私たち夫婦間で実際にあった話をもとにお伝えします。
今、夫婦関係で悩んでいるあなたのお役に立てば幸いです。
きっかけはささいなこと
日本人海外駐在員は忙しい

海外で働く日本の駐在員はなぜこんなに忙しいのでしょう。
平日は21〜22時を過ぎなければ家に帰れず、休日も会社へいくか自宅で仕事をするか。
メールは24時間チェック、場合によって社内のLINE対応さえも仕事です。
働き方改革が進む日本とは反対方向に進む、まさに昭和のモーレツ社員のようです。
海外であることから日本の本社も労働時間の管理にまで口を出すことはなく、不況の日本を支える売上を海外に求める。
駐在員社会の中に、どんよりとした過重労働という暗黙の了解が広がっています。
気づかないうちに溜まる駐在妻の不満や寂しさ
そんな駐在員の支えになるのが妻の存在だったりするのですが、気づくと家族にかまってくれない夫に不満を抱いたり、1人の時間が多くて寂しくなったり。
そんな気持ちを抱える人も出てきてしまうのです。
支えるどころかストレスになってしまう人もいるのではないでしょうか。
私の場合は後者でした。気づかぬうちに寂しさが溜まっていたのです。
関係悪化の原因と解決策
駐在妻と夫の関係悪化の原因と解決策。
最初に簡単に結論を述べたいと思います。
原因は、「相手に期待しすぎてしまうこと」。
解決策は、「相手への期待をさげること」です。
とてもシンプルなようで、この答えを導き出すためにとても考えました。
我が家で実際に起きた事件とともに、詳細をお伝えします。
駐在員夫婦 我が家で起きた事件

事件当日(妻の視点)
前提:夫は週末に大切な会社の試験を控えて一週間勉強詰めです。
(妻の思い)この1週間本当によくテスト勉強頑張ってるな。
試験当日
試験が上手くいったと連絡がきた。
買い物行こ!栄養たっぷりのサラダと彼も好きなパス
サラダとっても美味しくできた!喜んでくれるかな。
そんなるんるん気分で夕食の準備をしていました。
すると夫から、「今日上司とご飯になった」という連絡が。
そっか。もうごはん作り始めたけど仕方ない。
まあそんなに遅くはならないでしょ。
夫は0時前に帰宅。さすがに寝そうになっちゃった。お疲れさま。
試験が上手くいったことや、上司といろんな話ができたことが嬉しくて、すごく楽しそう。
そして明日も仕事にいくことになったみたい。
「そっか。大変だね。がんばってね。」
言葉ではそう発しながらも、内心はきっとこう思っていました。
明日も仕事か。全然一緒にいる時間がないな。今日もごはん作ったのに。
やっぱり寂しいな。でも寂しいなんていったらめんどくさい女と思われるから絶対言えない。
その代わりに、
「休日出勤手当はちゃんとあるの?(社外でのイベントだったため)会場までどうやって行くの?交通費は出るの?」
など細々したどうでも良いことを追求してしまったのです。
なぜ妻はそんなことを言ってしまったのか
夫が仕事を前向きにがんばってる姿が好きだし、楽しそうにしているのを見ると自分も嬉しい。
でも一方で、
今日は久しぶりに一緒にごはん食べれるはず。週末は一緒に過ごせるはず。
そんな自分の期待が外れたことが悲しかった。
事件当日:夫の視点
試験が終わった後の夫の心境。
(夫の思い)1週間仕事と勉強頑張って、試験もかなりいい感じで終わった。
夜は上司とサシ飲みで、熱い話がたくさんできた。
疲れたけどすごく良い日だった。明日も仕事だけど、がんばろう!
そして帰宅。
妻に明日仕事だと伝えたら、交通費やら休出手当やら、
疲れてるのに、明日の仕事も好きで行くわけじゃないのに。まじでめんどくさいな。
1週間仕事も試験も頑張ったし、妻には癒してもらいたかっただけなのに。
一気に気分悪くなった。寝よ。
なぜ夫は気分が悪くなったのか
疲れてるんだから癒してほしい。ただお疲れさまと言ってほしい。
そんな妻への期待が裏切られたからです。
自分の期待に応えてくれない妻に腹が立ち、悲しかったのです。
事件翌日:妻の視点
夫から、「家族は仕事の妨げ、仕事の邪魔、
彼の妻、
なぜ夫がこんなことを言う思考回路になったのか分からない。
昨日のちょっとしたグチでなぜそこまで言われるのか。
自分だけが傷つかなきゃいけないのか。
ただ発された言葉だけを鵜呑みにして、考え込み、苦しむ。
そして事件後の1週間、
夫は遅くまで家に帰ってこず、会話はほとんどゼロ。
なんでこんなことに。私が悪いのか。
妻は被害者意識に襲われ自分ばかり辛いと思ってしまうのです。
しかしそれでは何も進まない。問題の原因を考えてみよう。
なぜ夫はそんな発言をするに至ったのか。背景には何があるのか。
相手の気持ちと自分の気持ちをもう一度考えてみよう。
↓翌日の夫の視点は、そんな妻の考察結果から導き出しました。
事件翌日:夫の視点
事件翌日、夫は予定していたイベントへ行きませんでした。
昨日のせいで気分悪くて仕事行く気にならない。
自分の気分を害された妻にイライラする。もう1日中寝よう。
でも仕事に行けなかったことを後悔。最悪の気分だ。
なぜこんなことになったのか。
【夫の考察】
なぜこうなった①
明日仕事行くことを妻に急に言ったから気に入らなかったんだ。
なぜ?妻は仕事よりも自分との時間を優先してほしいからだ。
なぜこうなった②
自分の仕事が充実してそうなのが、
なぜ?妻も本当は働きたいからだ。
じゃあどうする?
①仕事のカレンダーを共有して事前に予定を把握してもらおう。
②仕事が充実してる、楽しい、上手くいった。
③妻と上手くやってくには、
でも、そんなことしたら仕事が上手くいかなくなる。
仕事がんばるなら妻の期待には応えられない。
どうすればいいんだ。あー、
なぜこうなった③
自分が試験上手くいったのが気に入らないんだ。
なぜ?本当は妻も同じ試験を受けていたはずなのに、休職して受けられないことが悔しいんだ。
じゃあどうする?
「会社に戻りたければいつでも戻れる。だれも強要してないから。」
いつでも帰って良い。そう妻に伝える。
夫がそう思う背景は?(妻の推測)
妻を休職させてしまったのは自分のせい、
妻が職場復帰すればそんな罪悪感も無くなる。
【夫の最終的な思考】
妻は仕事の妨げになる、邪魔だ。
原因はどこにあるのか

夫の気持ちと妻の気持ちを客観的に考えて、問題の原因が見えてきました。
それは、「お互いが相手に期待しすぎてしまった」ことです。
妻は久しぶりに夫とごはんが食べられるのを楽しみにしていました。
しかしその期待はくじかれ、翌日も一人で過ごすことが寂しかった。
だから夫が疲れている気持ちも汲めずにぐちぐち言ってしまった。
夫は、妻が寂しいと思っているなんてみじんも知りません。
ただ一週間の疲れに対して、お疲れさま。明日も頑張ってね。
そう言ってもらいたかった。
妻には仕事の疲れを癒してくれる存在であってほしい。
しかしその期待がくじかれたどころか文句まで言われた。
期待を裏切られて気分を害されたことが許せなかった。
相手に期待することは悪なのか
好きだからこそ相手に期待するのだと思います。
こうしてほしい。こうあってほしい。
でもその期待が外れたら、悲しいし腹が立つのかもしれない。
好きな人に対して期待が大きい分、
でも、相手がいつも自分の期待通りに動くわけないし、
好きだからこそ期待する。期待が全く無いのは、この人にはもう期待できないという「あきらめ」に聞こえます。
だから期待すること自体は悪では無いと思うのです。
でも相手に期待しすぎることは、同時に自分のエゴでもあります。
だから、相手が期待はずれなことをすると腹が立ったりイライラしてしまうのです。
問題の解決策

私が思う解決策は、「相手への期待をさげること」です。
少なくとも私は、100%夫の期待に応えるのは無理だと思います。
夫も、私の期待に応えるために仕事を調整する必要はないのです。
相手への期待を下げることが、相手への思いやりではないでしょうか。
相手に対する自分のエゴを取り除く方法ではないでしょうか。
自分は期待に応えるためだけではなく、夫に喜んでもらいたいから頑張る。
夫は妻に喜んでもらいたいから、家族の時間を作る。
相手の期待に応えようとがんばるのは、窮屈な気がします。
期待に応えてくれるから好きなのではなく、
期待にこたえてくれないその人もひっくるめて大切だと思うことが
なのではないでしょうか。
まとめ
忙しい日本の海外駐在員とその家族。
それぞれの家庭によって状況はもちろん違うと思いますが、多かれ少なかれ問題はあると思います。
私はこうして自分と相手の考えを冷静に分析して心が軽くなりました。
自分だけが辛いという被害者意識を捨て、少し離れた場所から自分のことを見てみることで冷静になれました。
海外生活で思うようにいかず大変なことがあるなか、夫婦関係まで悪化したら苦しいですよね。
お互いを尊重し幸せな毎日を送るためにも、「相手への期待を下げること」が必要なのではないかと思います。
今夫婦関係で悩んでいる方へ、参考にしてもらえることがあれば嬉しいです。